イベントレポート
鳥取発ベンチャー型事業承継 キックオフミーティング

5月18日(土)にSUIKO WORK CAMPにて、
鳥取発「ベンチャー型事業承継」キックオフmtgを実施しました。

鳥取はもちろん東京・岡山からもご参加頂き、約40名の方々にお集まり頂きました!

⦅第1セッション:プロジェクト紹介⦆
まずは、プロデューサーの鳥取銀行安川よりプロジェクト紹介を行いました。

次に、中国経済産業局の稲原課長よりご挨拶を頂きました!

稲原課長:各地域に想いを持った若い人がたくさんいるんだなというのをここ1、2年で強く感じています。一方で、アトツギの皆さんはすごく孤独だなと感じることもあります。アトツギを応援したいという想いを持つ人も、どうしても仕事の外で応援せざるを得ないことが多いのが現状です。応援する側も非常に孤独、だからこそ、これから何か変えていこうというベンチャー企業や若い方々と一緒に悩んでいく「コミュニティ」や「システム」が必要だと感じています。皆さんと一緒に鳥取・倉吉の地から、面白い取り組みを起こしていきたいと思っています。

そして、このたびメンターをしていただく㈱あきんど太郎の松井太郎社長からご挨拶とエールを頂戴しました。

松井社長:昨秋、倉吉で開かれた「アトツギベンチャー」のイベントに参加した時から、内容に共感しメンターとして関らせてもらっています。鳥取県のプロフェッショナル人材拠点の仕事をしていて感じた鳥取の中小企業の課題は大きく2つ。①業績を上げるためにどうしたら良いか分からないこと②後継者(アトツギ)がいないことです。今推し進めているアトツギがいない企業に人材を紹介する事業と相乗効果を生んでいけたらと思っています。

11月に「アトツギベンチャーキャンプ」との連携イベントを実施する、
STARTUP KINGDOM(岡山市)の石元代表からお話を頂きました。

石元代表:STARTUP KINGDOMは、岡山でスタートアップ企業を育てることを目的としたイベントで、起業家の方がチャレンジしやすい環境を作ることや、同時に起業家をサポートしやすい枠組みを作ることを目的にしたイベントです。「挑戦者が集まる町、岡山」を創ろうという気持ちで動いており、鳥取のこの取り組みとも連携していきたいと思っています。

次に、今回のプログラムのメイン講師となるギルドワークス株式会社の市谷社長よりお話を頂きました。

市谷さん:つい昨日新庄村へ行きました、心が洗われるような場所で…話が長くなるのでやめますね(笑)
市谷さん:立ち上げた「GuildWorks」という会社では、正しいものを正しく作ることをミッションに、新事業開発に取り組んでいます。主な事業としては、大企業の新規事業支援やスタートアップ、ベンチャーの新規事業支援を年間40〜50件、合計200件の支援をしています。個人的にしている取り組みとしては、静岡県下の「アトツギ」支援をしていて、ここが皆さんとの接点になってくるかと思います。

市谷さん:新規事業と新規プロダクト開発の核心、それは「正しくないものを作らない」「早く(少しだけ)形にする」こと、つまり、「仮説検証+アジャイル開発」を行なっていくことです。ですので今回のプログラムは、仮説検証×アジャイル開発をベースに行なっていきます。

参考資料:「正しくないものは作らない(https://www.slideshare.net/mobile/papanda/7-79699560)」

市谷さん:仮説検証とは「失敗=学習」の積み重ね。繰り返しの中から見える「失敗パターン」を見つけていく。この背景には、「採用の失敗」と「却下の失敗」があります。採用の失敗とは、中小企業でよく見られる現象で、良いアイデアが出てきたとしても上手く採用できないこと。却下の失敗とは、大企業によく見られる現象で筋の良いアイデアとかも、却下してしまうことです。

市谷さん:最後にとても大切な問いがあります。「自分(自社)は何者なのか?」についての向き合い方が大切だと思っています。「これまで通り」から脱却することが大切です。あと静岡の「アトツギ」達と一緒にプロジェクトを行なっていて感じること、それは「アトツギには強みがある」ということ。アトツギがベンチャー企業と圧倒的に違う点は「社会との信頼関係」です。今までの事業で関わる中で、利潤を超えた協力体制がある。

市谷さん:でもこれも「しがらみ」になり得る側面を持っています。
【アトツギの新規事業づくりは、自分と社会の接点を再定義するためのジャーニー】です。
これから頑張りましょう!

⦅セッション:ビジネス座談会⦆
次に関西発のアトツギプロジェクトについて、株式会社マクアケの松岡さん・ワシオ株式会社の鷲尾さん・ニューワールド株式会社の金子さんの3名によるビジネス座談会を実施しました!

鷲尾さん:「もちはだ」という商品を取り扱っているワシオ株式会社の三代目になります。祖父が創業した会社で兵庫県の加古川にあります。2013年に大学を卒業して神戸の会社に入って、新規事業を中国で行なっていました。色々考えた結果、育ててもらった恩もあるし、家業を再生させたいと思って帰ってきました。

鷲尾さん:2017年4月、大きな赤字の状態で帰ってきたけど、2月の決算で黒字化させた、色々やりました。新ブランドの立ち上げとか、クラウドファンディングをやったりとか。 創業したのは、1955年。これまでは「もちはだ」ブランド一筋でやってきた。ずっと同じものをずっと同じ形でやり続けていた。当時からの問題は、新規顧客の開拓が出来ていなかったこと。お客さんの新陳代謝が起きていなくて、高齢化でどんどん顧客が減っている状態だった。

鷲尾さん:僕が帰ってからすぐ「Yetina」というブランドを立ち上げました。SNSを使ってブランドを立ち上げられるんじゃないかと思って始めた取り組みだけれど、今ではメディアの方から取材に来てくれたりと反響を呼ぶ商品となっています。アトツギの皆さんにお伝えできそうなことはここかな。入社してすぐ、あらゆるデータを収集しました。この数字を全て掴んで、全員が数字を知っている状態にしていくことが重要だと思う。それにより、判断が一個一個、間違わなくなっていくと思っている。

鷲尾さん:昔ながらの企業だと、ルーティーンワークで済んでしまっていることがある。僕はまずは、誰も知らない情報を掴むことをした。会社内で影響力を持とうとすると何か実力をつけないとと考えるかもしれないけど、誰も知らない情報を持っていてそれが重要な情報だと、話を聞いてもらえるようになる。

鷲尾さん:【世界から「寒い」をなくすニットを】【世界から「寒い」をなくすパジャマを】パジャマってジャンルだったら一番で、ニットのジャンルでも結構高い位置を占めています。クラウドファンディングは相当工夫して行った。Youtuberを使って広告を打ったし、芸能人の方々に使ってもらって口コミもしてもらったりもしました。

松岡さん:次は金子さん、自己紹介お願いします!

金子さん:日本の良いものを広めることを目的として、商品のウェブ販売や自社ブランドを作っている。クリエイティブのサポートということで、「もちはだ」のクリエイティブメンバーと一緒に打ち合わせを行い、映像を作ったり打ち合わせしたりしています。オンラインショップをやりつつ、そこで培ったノウハウをBtoBで生かしている。

松岡さん:最後にMakuakeの紹介を。200万円以上で成功と言われる中で、8社が成功を収めている。Makuakeは、サイバーエージェントグループのファンド会社である。クラウドファンディングの中でも、ものづくりに特化しているサービスです。ものづくり企業に特化しているから、Makuakeに来たら何か面白い(世に出てないもの)が手に入るっていうイメージを持ってもらっていると思う。

松岡さん:Makuakeのファンユーザーの方がいるから活用するいう方がいたり、Makuakeだと試作品ベースでできて在庫なしで試してみて売れるか売れないかを試すことができる(テストマーケティング)。実際に売れたとしたら、男女比とか年齢層とかが事前に分かる。これだけ売れたものだから、これからこういう販路が見込めるという実績になる。Makuakeの調査は、純粋にお金集めとしてやっている方はほとんどいなくて、プロモーションとテストマーケティングを期待して利用されている。

松岡さん:これから世界に進出していく際に、外部パートナーとして本田圭佑さんとか市川海老蔵さんとかにも関わってもらっている。最近だとガイアの夜明けにも放送してもらって、大企業がなぜMakuakeを使うのか?というテーマで取り上げてもらった。地方では何かを生かして事業化したいという企業さんと出会うことが多い。

今募集中の取り組みは、こちらです!(https://www.makuake.com/

⦅セッション:質問&クロストーク⦆
そして、参加者の方からの質問を受け付けクロストークを行いました!

参加者:社員の方からの反発はありましたか?
鷲尾さん:もちろんありました。反発って、動いてもらおうとするから生まれると思う。だから面倒くさいことは全て自分でやっていました。まず自分が時間と手間を投入して、自分が一番損をするように動く。そうやって動きながら目に見える実績をつくるよう意識していました。職人さんの年齢層は、60代とか70代の人が多い。一個上の人は39歳で、圧倒的最年少でした。よく「倒産するよりは良いじゃないですか」と現状維持の先に、事業改善があるわけじゃないということを伝えていて、職人さんが働き続きやすい環境整備をする役割を果たそうと動いていました。

参加者:周りの人に動いてもらうためのコツはありますか?
鷲尾さん:全てを知った上での最善を提案するということ。例えば、食べられるものを提案するときに、「ひまわり」は食べられることを実証するためには、全ての花を食べ尽くした上で、「ひまわり」がいいという結論を提示することで人は受け入れてくれる。そこまでやらないといけない。

参加者:どういう想いで帰ってきたのですか?
鷲尾さん:親父に首をつらせたくない。その想いだけだった。親が首を吊る人生が嫌だと思ったら、できる限りやるしかない。根っこの部分では、関わる人一人一人を幸せにできたら良いなと思っていたのはある。

松岡さん:誰の何を解決したいと思っているの?
金子さん:日本のものづくりブランド世界一を目指すこと。社員全員で話しあってビジョンについてひたすら関連するワードを上げながら、議論を重ねていって最終的に辿り着いた結論がコレだった。

松岡さん:ミレニアル世代のアトツギは未知では?どう発掘していく?
鷲尾さん:人口増加時代と人口減少時代でズレがある。現代の勝つ方法というのは、需要が減っていく中で、適確にニーズを見極めて供給するか?見つけてもらうか。やり方を意識的に伝えていかないと。ギャップを埋めるというのは難しいけれど。

松岡さん:事前に書き出してもらったキーワードの中で特に気になる「タイムマシーン」っていうのはどういうこと?
鷲尾さん:お客さんの新陳代謝が起こっていない会社では、後を継ごうかどうか迷っているアトツギもいると思う。しかし見方を変えると、昔から何十年も変わらない方法で作ってきた商品を最先端の市場に持ってくると、ビンテージみたいにカッコいい感覚に変わることがある。時の変化に合わせて徐々に変わるのではなく、意図的に時を飛び超えてワープしたかのように見せる工夫が大切だと思う。

松岡さん:昔の企業さんの商品を持ってくるときに気をつけていることは?
金子さん:共感具合だと思う。例えば鷲尾さんの挑戦した「もちはだ」のプロジェクトでいうと、20代でむちゃくちゃ頑張っている鷲尾さんという「人」に共感させることを特に意識しました。もちろん機能性が良いのはあるけれど。自分が「すごいな」と肌で感じた熱量をそのまま持って、サイト作りに活かしていくことを大切にした。

松岡さん:ここでキーポイントだと思うのは、プロダクトアウトになってしまう可能性を秘めているということ。まずは、物として欲しいと思わせることが一番大事。次に、これはどこがつくっているの?という順番が良いと思う。WHY→HOW→WHATがゴールデンサークルだと思う。例えば、他のクラウドファンディング挑戦者が、鷲尾さんがやったからやりたいはダメ、それを知った上でなぜやりたいのか?が沸き上がっていないといけないと思う。

松岡さん:ビジョン作りの方法についてどうやって考えているの?
金子さん:自分は「関わった人一人一人を幸せにしたい」という想いを大切にしているけれど、自分が思ったことをそのまま持ち込んでいいのか?でも自分が立ち上げたわけではないな…とすごく考えている。会社の器は社長の器。自分自身をもっと深掘りしないといけないと思う。ベンチャー企業で自分に付いてきてくれる人に浸透させるのは比較的簡単だと思うけど、承継の場合だと特に難しいんじゃないかな。
参加者:最終的に目指している理想のゴールはありますか?
金子さん:パタゴニアを目指している。毎年毎年利益から数%を寄付している。人生の選択肢を増やせるような企業を目指している。人生の豊かさについて考えた時に、豊かさ=選択肢の多さだと考えている。「寒い」をなくすことで、「寒くても動ける」という選択肢を増やすことになり、人が行動的になればGDPが増えていって、日本にも・世界にも影響を与えるようになるかもしれない。3人で話すときはいつもこんな会話になっています!

⦅最後は懇親会へ⦆
イベント後は懇親会を行いました!「事業承継×ベンチャー」をテーマに、様々な話題が飛び交いました^^

引き続き活動の様子をまとめて発信していきたいと思っています!
今後ともよろしくお願いいたします~!!

Writer:岩田直樹(公立鳥取環境大学修士2年生)

前のページに戻る